2019.11.20|オアフ島
もう少しハワイを知ってみる
もう少しハワイを知ってみる*オアフ島最古のウルポ・ヘイアウ
- リラックス
カイルアといえば、真っ白なビーチが広がる人気の町です。が、リピーターもあまり知らないのが、かつてはよく波をかぶってビショビショになる地域だったということ。カネオヘもそうですが、雨が降るとコオラウ山脈からの土石流をかぶることもあって、水害を受けまくっていたそうです。
古代ハワイアンの原始宗教は、日本古来の「神道」に近いものでした。世界のいろんな場所にいる「神」に、水害から守ってもらうことを祈ったのです。どれくらい効き目があったかはわかりませんが、ヘイアウは、その後、養魚場と農耕地の豊潤を祈る祭祀場として人々が集まる場所になっていきました。
ウルポ・ヘイアウも、水害から人々を守り、食料を守る神社のようにしてつくられました。どうしてこんな場所(内陸の住宅街)につくられたのか、と思いますが、当時、このあたりは海岸線でした。カヌーで移動するハワイアンたちにとって、港のような場所だったのです。
そして、違う使われ方をし始めます。
ハワイのそれぞれの島に王が君臨しはじめてから、戦いに勝つことを祈って人間を生贄にする「ルアキ二・ヘイアウ」へと変貌してきました。ウルポ・ヘイアウは、1600年代後半までにはルアキニ・ヘイアウになっていたようです。日本の江戸時代のことです。オアフ島で一番古いヘイアウでしたが、カメハメハがやってきた頃には廃れていたようです。
ちなみに、コオラウ山脈からの土石流を被らなくなったのは、現代の1982年のこと。アメリカ軍の協力でコオラウの北麓にダムを造ったからです。現代になっても、カイルアもカネオヘも、時々、水害に襲われていたわけです。現代の人々もヘイアウに祈りを捧げていたということでしょうか。

- 村上智洋xへなしゅん
- カンボジア、ベトナム、グアムなどH.I.S.の海外支店を渡り歩き、2017年3月にハワイ着任した男、村上智洋。各国での生活や体験は子どもにとっても貴重な機会ととらえ、その場所の空気や様子を直に感じ取ってくれることを願いながら、週末ごとに「プチ探検の旅」に出かける日々。8歳と6歳の息子ふたりと新たなハワイを発見すべく、子どもにも安全に楽しめる「もう少しハワイを知る」散策を続けている。 このことを聞きつけたへなしゅんが、その場所をへなしゅん的に紹介することで、村上以外のハワイ好きが【もう少しハワイを知る】手助けになれば、と乗り出して連載スタート。編集部員にヤイヤイ言われながら、書き綴っている。